トネリコの葉煎じ楡木についた蔦からアマヅラとりいれる


あすは檜の木とかや、谷の老木のいへる事あり。昨日は夢と過ぎて、 明日はいまだ来らず。ただ生前一樽の楽しみの外に、明日は明日はと言ひ暮して、終に賢者のそしりをうけぬ。
          松尾芭蕉 笈日記
北の方ではヒバとよぶ/
少しおりると檜になる/
もう少しおりるとアテビとして/
アスナロとして
なんてよぶ
明日はなるひつようない。すごいこと知っている
黄金に輝くこと知っている
ただ虫もよせつけなければ、人もよせつけない。ほんの少しにおいが強いだけ
今日では比べられるいわれはない
なんてよぶ
樹木は壁のごとく密生し、巨大な枝が重なりあって空を隠すのだから
わからなくても
そこらにどのような動物が生息しているかもわからない
誰も決められない
秋の稲のように黄金に耀くこと忘れない
風が吹けば重なりあった枝はくすぐりあって笑う