梅雨あけて夏のはじめ
ほぼ満載積んだ箱トラ
裏道入ってまたぐように町をはしる
川をわたって坂道登りきる途中でうばわれる
心臓の音を消す鉄を砕く大きな音。小鳥の声を消すユンボの動く大きな音

燃えない鉄が酸化して火がついたようにオレンジに錆び付いた視界を左右上下はみ出す鉄の山
トラックの中のもの背負ってるものも
なにもかも
捨ててオレンジに混じりあわせる
誰かがなにかと一緒にユンボで砕いて溶かしたり、プレスする
行き場のなくなったものが形になってどっかに使われ見えないとこでさびつく
無精髭で長髪の深く帽子被った同じぐらいの背丈のホームレスがこんなとこで寝るなって
昨日あった人が応援した
夢見て急降下しながら廻りはしゃぎ躍る
大きく開いた穴のずっと先にいるひかりのほうに手をあげてるやつめがけてNGなしのタランテラ
あいつは死んだ
たまに夢に出てくるあいつは昨日は箱を渡した
眼を閉じても入り込んでくるまぶたの裏にこびりついたオレンジ
もえている